SSイベント報告+役員会より

東京女子大学同窓会 埼玉支部の活動のあれこれと役員会からの報告をお伝えします。
2018年1月10日 社会福祉法人「さくら草」訪問

平成30年1月10日(水)、社会福祉法人さくら草見学に訪れました。

2014年6月以来3年半ぶりの見学です。 当日は、ご家族がこの施設を利用されているOさんの車他2台で、役員有志10名が参加しました。最初に山本理事長より施設の沿革と概要について説明をいただきました。

 

          

(写真:近藤施設長と山本理事長)

 

無認可時代を合わせるともう既に30年を超える歴史があるとのこと。

近年は利用者の親御さんたちの高齢化が進んだり、またボランティアの人数が不足しているなど、向き合う課題はつきません。 他の施設に比べてみると利用者に対する職員・ボランティアの人数比率は良好のようですが、ひとりひとりのプログラムに合わせての活動を考慮するともっと人数が必要とのことです。

その後、同法人が運営しているデイセンターを5カ所見学させていただきましたが、ちょうど昼食タイムのため美味しそうな匂いが漂っていました。 私達が部屋に伺うと、利用者の皆さんが手をつないで挨拶されたり、自己紹介やおしゃべりをして下さったりと歓迎してくれました。 部屋の壁には利用者の皆さんの書初めの展示や職員が作成したクリスマスカードなどが飾られており、可愛らしいお手製デザインの陶芸作品・オリジナル石鹸・お茶などの販売コーナーもありました。

山本施設長のご説明にあった「支援する人、される人の場に分けての活動はしたくはない。地域で支えていきたい。」というポリシーにたいへん感銘を受けました。

これからの活動も積極的に広げて、利用者のペースに合わせて華道やバスケットボールなどの新しい行事の取り組みも検討しているとのことです。

子どもから大人まで、様々な障がいを持つ利用者の皆さんが充実した日々を過ごしている様子を拝見し、その日々の活動を支えている職員・ボランティアの方々には頭が下がる思いです。

今回の見学を通して私たちも自分の周りの人々に対して何ができるのかを考える良い機会になりました。

冬の晴れ間にキリっと気持ちがひきしまる一日でした。

 

                     文責・池尻                            

| 社会福祉法人「けやきの郷」、社会福祉法人「さくら草」 | 23:53 | comments(0) | - |
2016年社会福祉法人「けやきの郷」訪問

2016年1月13日(水)、役員と有志、計12名で川越市にある社会福祉法人「けやきの郷」を見学に行ってきました。

注:社会福祉法人「けやきの郷」は埼玉支部が毎年寄付をしている、2つの施設のうちの1つ(もう1つは、さいたま市の社会福祉法人「さくら草」)。
  埼玉支部の森晶子さん(48専国)が発起人の1人として立ち上げから関わってきたご縁で、
  20年以上賛助会員として支援を続けている。

「けやきの郷」は、義務教育が終わっても、どこにも行き場のなかった自閉症の人たちの親が発起人となって1985年に設立された自閉症をもった成人の人たちのための専門施設です。
川越市街から車で20分程かかり、敷地の脇に流れる川は度々氾濫していたようです。決して良い条件の場所ではなかったと思いますが、地域住民の反対を受けることも多く、この土地での建設に至るまでに7年かかったそうです。現在では、水害の問題も徐々に良くなっていて、その大きな敷地に、寮、作業施設や工場、周辺にはワークセンターやグループホーム、農場を有します。今回は、そのうちの3つの施設にお邪魔しました。

1.初雁の家
「初雁の家」は、比較的単純な作業を通じて自立できるよう支援する施設で、住まいと作業場が隣接しています。
入所者は重度知的障害を伴う自閉症の人が多く、20代から50代の男女が男子棟と女子棟に分かれて生活しています。
私たちが訪れた女子棟は3年前に2人部屋(収納付きベッドと洋服ダンスが1人ずつある)に改築されたそうで、きちんと整頓されて明るく、普通の女子寮と変わらない印象でした。
平均年齢は40歳位。高齢化が進み、週末にご家族のもとに帰ったり、ご家族と出掛けたりするのが難しい人が増えてきたため、最近はスタッフの方がアクティビティを考えて、楽しく土日を過ごす工夫をしているそうです。

日中は、5つの作業班に分かれて仕事をしています。
今回私たちは、古い手帳やCDを解体して、ビニールや古紙、プラスティックなどに分別する「解体班」の作業を見学しました。作業場に入っていくと、手を止めてニコニコしてくれる人、ハイタッチをしに来る人などもいて和やかな雰囲気でしたが、大勢で伺ったので、みなさんの気を散らせてしまったようでした。

次に、リサイクル用に空き缶をつぶす機械のある作業場「こまつな班」に立ち寄りましたが、ちょうど作業の休憩中でしたので、案内の山口さんが実践して見せてくれました。
隣には鉄道模型の部品を組み立てる「ソーラー班」の作業場あり、扱っている模型と部品を見ました。
先の二つの作業とは違い、手先が器用で集中力のいる仕事のようでした。
こちらの施設では、スタッフが一人一人の特性や適性を十分に理解し、それに合った作業班に振り分けているそうです。
みんなが自分のレベルで楽しく仕事をし、達成感を得ることができるようにとの配慮が行き届いていると感じました。

2.やまびこ製作所
「やまびこ製作所」は、1995年に開業した、働き手が自閉症の人のみという世界初、国内唯一のA型作業所(雇用契約を結ぶ就労継続支援A型の施設)で、最低賃金の支払いが義務付けられています。
主な仕事は、フォークリフトでの運搬に使う「木製パレット」と呼ばれる荷台の製作・修理です。
作業所の外には、取引先企業の名前がきれいに揃って印字された、搬出前の木製パレットが高く積み上げられていました。
作業員は全員男性で、揃いの青いジャンパーに、頭を保護するためか野球帽タイプのキャップを被っていました。
私たちが工場内で説明に耳を傾けている最中も、気を散らせる人がほとんどおらず、2人1組で作業に没頭していました。
木材の運搬は力仕事ですが、木材を等間隔に揃えてエアガンで釘打ちする作業は、自閉症の人たちの特徴である、強いこだわりがプラスに働いています。『良質な製品と納期を絶対守る』という「やまびこ製作所」のポリシーが、大手企業を含む取引先30社の信頼を得て、良い循環が出来ていると感じました。

現在働いている27名の自閉症の人たちは、「けやきの郷」が運営している「グループホーム」と呼ばれる近隣の寮から通っていますが、最低賃金が保証されているので、障害者年金も含めると経済的に自立が出来ていて、入居料や食費などもすべて自分たちで賄っているそうです。

2010年の世界自閉症啓発デー(4月2日)には、NHKのニュース番組で『飛躍する工場』として取り上げられたり、2014年に北京市自閉症協会の一団が視察にきたことを、英字新聞「ジャパンタイムズ」が記事にしたりと、この施設の活動に、多くの関心が寄せられていることを知りました。
中でも、2009年の裁判で、重度知的障害を伴う自閉症の青年の事故死で生じる逸失利益(将来的に得たであろう収入)を認める判決がでたのには、最低賃金の保証や所員の経済的自立を可能にしている「やまびこ製作所」の存在が大きな役割を果たしていたことが印象的でした。

最後に、2007年のTBSドラマ「マラソン」の撮影現場がここだったという話を聞きました。
自閉症の青年が家族の愛に支えられ、フルマラソンを完走するという韓国の実話をもとにした感動のドラマです。
エキストラとして、所員の方々も出演したそうです。所長の伊得さんが『僕もまだ若いでしょう。』と言いながら、主演の二宮和也さんや母親役の田中美佐子さんたちとの集合写真を見せてくださいました。

3.ワークセンターけやき
「ワークセンターけやき」は、前述の2つの施設から車で数分のところに位置し、隣には農場と「埼玉県発達障害者支援センター まほろば」(埼玉県からの委託事業)、「相談支援室けやき」(川越市指定相談機関)、グループホーム「あかつき寮」「しらこばとの家」「七草の家」、そして農道を隔てて「潮寮」「第2潮寮」があります。

センター内には、手作り弁当の製造・配達(予約制)をしている「食鮮工房」があり、市内の企業や学校関係、サークル等から注文を受けているそうです。午後の訪問だったため、実際のお弁当を見ることはできませんでしたが、大きな調理場で、管理栄養士の方を中心に男性・女性がてきぱきと後片付けをしていました。

農場に移動すると、手前にブルーベリー、奥には大きな欅の木が並んでいました。ここでは、ブルーベリーやじゃが芋を育てていて、センターが経営している福祉喫茶「ほっこりcaféちゃちゃこ」(川越市立西図書館内)やパン屋「けやきベーカリー」で委託販売しています。また、地元の子ども会がここで芋堀りをすることもあるそうです。

このセンターは他にも、市内の老人保健施設への清掃作業員の派遣や、「さをり織」という手織りの布の製造・販売、「アトリエきつつき」というブランド名で、さをり織の布を使った小物の製作・販売もしています。

「福祉就労」と聞くと、1つの施設に人が集まり作業をするイメージが強いですが、このセンターは、利用者と職員をどんどん地域へ送り出し、多くの人々と接するよう支援をしています。
カフェやベーカリーでは、自分たちの作ったパンや焼き菓子を人々に『買ってもらう』『食べてもらう』という「結果」が出ます。それらの店で、さをり織の作品や農産物の委託販売をしてもらえば、『気に入ってもらう』『買ってもらう』という「結果」が出ます。
施設の清掃は、目に見えて『きれいになる』という「結果」が出る作業です。
自分たちの活動の結果が目に見えるということは、誰にとってもやりがいにつながり、これこそが、このセンターの最大の目標である「一人ひとりが誇りを持って働ける就労支援」のために、大事な要素なのだと感じました。


今回の見学を通して

| 社会福祉法人「けやきの郷」、社会福祉法人「さくら草」 | 22:06 | comments(0) | - |
「けやきの郷」より感謝状をいただきました

埼玉支部は同窓生のご縁から「社会福祉法人 けやきの郷」に毎年寄付をおおくりしています。
この度、けやきの郷が三十周年を迎え、記念誌と感謝状を頂きました。

※クリックで拡大します↓


こちらが記念誌です。


毎年続けて支援してゆけるのは、バザー、手芸の会、観劇の会など、みなさまの多大なご協力のおかげと感謝申し上げます。

今年もバザーを12/9(水)に予定しています。
どうぞよろしくお願い致します。

| 社会福祉法人「けやきの郷」、社会福祉法人「さくら草」 | 02:15 | comments(0) | - |
2014年「社会福祉法人さくら草」見学

◇埼玉支部と「社会福祉法人さくら草」

埼玉支部創立の趣旨である“地域の福祉団体への協力”の一環として、毎年ささやかな寄付をさせていただいている施設の一つに「社会福祉法人さくら草」があります。

 社会福祉法人さくら草 | 埼玉県さいたま市浦和区緑区南区
 http://www.sakuraso.net/

◇見学に行ってきました

6月25日(水)、小河支部長と、ご家族がこの施設に通っているOさんの運転する車2台に分乗して役員会の8人が、さいたま市太田窪にある施設の見学に行ってきました。



到着すると、初めに施設長の山本さんが、「さくら草」の沿革を話して下さいました。
「どんなに重い障がいがあっても地域で自分らしく暮らせるように支援する」を理念に掲げ、障がい者のご家族と近隣の協力者と行政と連携して、1986年以来一歩一歩、少しずつ充実した組織へと発展させてきたとのこと。その間のご苦労は、計り知れないものがあったに違いないと想像するのですが、山本さんは終始穏やかで誠実なお話しぶりで、この施設全体の雰囲気をうかがい知ることができました。



◇活動の様子

続いて施設内の部屋を案内していただきました。いくつかのグループに分かれ、専門家やボランティアの方の管理のもとに、体調を整えるプログラムや、作業、文化活動など個々のニーズにあわせた活動をしていました。当日は理髪のボランティアが来所する日で、施設職員と2人がかりで若い男性の整髪をしていました。



陶芸や石鹸つくりの作業でできた製品の販売コーナーでは、役員一同お買い物を楽しみました。


◇入浴施設の見学

その後太田窪の建物から車で10分ほどの同市内本太にある、新しく開所した入浴用の施設を訪ねました。
ここは心優しい地主さんのご厚意が随所に感じられる、駐車場を備え緑に包まれた立地で「地域と共に」の感を深くしました。
にこやかに出迎えて下さった職員の中になんと東京女子大学の同窓生Sさんがいらっしゃいました。
ここは椅子に座った姿勢のままで入れる小さめの浴槽のバスルームと、ハンモック状ベッドから仰臥した姿勢でリフトに乗せられ無理なく体を支えて入浴できる大きいバスルームの2つを備え、休憩室も用意されていました。
南側のお庭では草花つくり、ハーブ栽培を楽しむ方たちもいらっしゃるとか。利用される方の心身が癒される環境が用意されていました。



◇見学を終えて

作業のお邪魔になってはとお暇を切り出した途端、急に降り出した大雨に驚き、少し小止みになるのを待つ間、これからも、ほん少しでも何かお手伝いできることがあれば協力をして行きたいと思いました。

            くまきよ

当日のアルバム→ 「社会福祉法人さくら草」の見学

| 社会福祉法人「けやきの郷」、社会福祉法人「さくら草」 | 22:52 | comments(0) | - |
2012年 社会福祉法人「けやきの郷」訪問

2012年1月25日(水)、前日の凍るような寒い日とはうって変わり、青空と太陽の恵みに包まれた一日でした。

 当日の参加者9人で2台の車に分乗し、川越市平塚新田(川越市の北西部にある社会福祉法人「けやきの郷」を見学させていただきました。ここは、自閉症の人たちが生活しながら協力し合い、つぎの5つの事業に取り組んでいます。

1. 障害者支援施設 初雁の家 (定員40名)


2. 就労継続支援A型 やまびこ製作所 (25名)


3. 多機能型事業所 ワークセンターけやき (30名)

4. 共同生活介護 ケアホーム5カ所
   (潮寮、第2潮寮、しらこばとの家、七草の家、 あかつき寮)
   各棟に7名ずつ生活している。


5.埼玉県発達障害者支援センター まほろば(県委託事業として)  

初雁の家
 ここでは次の作業を見せていただきました。

 

◆解体班  古い手帳やカレンダーなどの古紙、プラモデル他の鉄、非鉄の分別


◆こまつな班 空き缶のプルトップをはずしてからつぶすリサイクル作業
   (この作業が「けやきの原点」というお話でした)


◆ソーラ班  鉄道模型の部品の組み立て(非常に細かい部品を正確に組み立てる)


やまびこ製作所
 就労継続支援A型の施設は全国に50カ所あるが、自閉症の人たちのA型の施設はこの
「やまびこ」だけだそうです。


ここではフォークリフトで使われる木製荷台の“パレット”を製作しています。
*A型 雇用契約をして最低賃金を保障する
*B型 工賃という形で賃金が支払われ、最低賃金は保証されていない

| 社会福祉法人「けやきの郷」、社会福祉法人「さくら草」 | 23:47 | comments(0) | - |
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